住宅を購入するとき、欠かせない作業が建物の内覧。
住居用が前提の場合、一度も見ずに買うということはほぼないだろう。
今回は内覧の際に外せないチェックポイントをまとめてみた。

1.天井に雨漏りの跡がないか
雨漏りといえば建物の傷みの代表格。まずは天井をひととおり眺めることをおすすめする。
最上階以外のフロア、1階も見ておく方がいい。
横殴りの雨がわずかな隙間から入り込み、建物に悪さをするケースがある。
そうした場合は壁にも雨染みができているかもしれない。
雨漏りは建物の主要な構造に直接影響するので、しっかり見ておきたい。

2.基礎にひび割れがないか
一般的にベタ基礎、布基礎と呼ばれるコンクリートの基礎部分が建物の根元を取り巻いていれば、ひび割れがないか確認しておこう。
大きく破断していると、建物の構造に深刻な影響をもたらすので注意。
では、何をもって大きい傷、すぐ補修すべきひび割れといえるのだろう。
さしあたっての基準は「幅0.3mm以上、深さ4mm以上」かどうか。
髪の毛の太さくらいのいわゆる「ヘアークラック」といわれるものは、さほど気にする必要はない。
心配な場合は専門家に相談してみよう。

3.床で極端に凹む箇所がないか
相当な築年数が経った建物の場合、畳の下、水回り部分の床、日当たりが悪い部屋の床などに、ブカブカした箇所が見受けられることも。
そうした場合は、床を支える役目の根太が腐っていると考えられる。
部分的な材の交換で済むかもしれないし、または広範囲な修理が必要になる可能性もある。
凹みが大きければ床をはがして内情を確認した方がよいだろう。

4.シロアリ被害
外から判別しづらいのがシロアリによる被害だ。
ただ、いくつか参考になるサインはある。

  1. 壁や柱を叩くと空洞音が聞こえる。
  2. 建物周りに羽アリが飛び出している。
  3. 建物周りに土で作ったようなトンネルがある。
  4. 目に見える木製部分で劣化、軟化が進んでいる。

シロアリは湿気のある場所を非常に好むため、土を盛ってトンネルを作り、その中を移動することが多い。
建物周りに不自然な膨らみがあるようなら、ちょっと警戒していい。
また、敷居や木枠に、肉眼や手触りではっきりわかる箇所があれば、防蟻処理を施すべきだろう。
その点は値引き交渉の材料に利用できる。

5.二重サッシもしくは複層ガラスを使用しているか
物件が寒冷地にある場合、ガラスの構造が購入意思を大きく左右することがある。
ただ、建物内の他の箇所に気を取られているとチェックを忘れてしまいがち。
撮った写真だけあとから見ても判別がつかないケースもある。
その場にいるとき自分の目でよく確かめておきたい。

6.床が傾いていないか
内覧時に床でビー玉を転がして確かめる人も多い。
傾きの原因の多くは、施工不良や軟弱地盤による不同沈下だ。
地盤が原因だと、傾きがさらに大きくなるかもしれない。
一方でこれ以上傾かないだろうと考えられる例もある。
主要構造材の位置や配置が原因で、床が盛り上がり、そのまま固定されてしまっているようなケースだ。
原因が何なのか見極められれば安心。
懸念を払しょくするには専門家のアドバイスを求めることが有効だろう。

以上、建物そのものについてチェックポイントを見てきた。
不具合が大きい場合は売主も気付いているだろうが、軽微な場合、売主自身が住んだことがない場合(相続物件など)は、説明が不十分になりかねない。
そんなときは売主に代わって不動産業者もしくは建築の専門家が情報を提供してくれるのでご安心を。

なお、建物に付随する湯沸かし器、ボイラー、営業用の大型家電などは、長期間使われず放置されていると正常に作動するかどうかが微妙だ。
売主負担で動作確認してもらう、もしくは動かないという前提で取引をする。
いずれかの選択になるだろう。

おすすめの記事