物件の内覧時、今のオーナーさんから同席してよいか尋ねられることがある。
答えはウェルカム。主な理由は次のとおりだ。

1.諸条件の調整がその場でできる
不動産売買の対象物は土地建物だが、中古住宅の場合は実際のところその範囲に収まらない。テレビ、冷蔵庫、カーテンなどを処分するか置いていくかといった、大型家財の扱いにも話が及ぶ。
売る人買う人が同席すればその場で要不要の意思疎通ができるし、内容を記録しておけば行き違いがなくなる。
経年劣化の部分、使えない箇所についても同じことがいえる。
両者の合意調整が現場でできる意義は大きい。

2.住んでいる人の本音が聞ける
業者のなかにはいわゆる営業トークでいいことばかりを言い連ねる人がいる。その場合、住んでみてから思わぬデメリットにびっくりという事態にもなりかねない。
そこで実際に住んでいる人の言葉は重いし、話のなかには飾らない本音も見え隠れする。不便な箇所の度合い、うまく付き合うための方法が本人の口から聞ければ安心だ。
早めに早めに不安が解消できるメリットがあるというわけだ。

3.お互いの人となりがわかる
多くのオーナーは物件を大切にしてくれる人に譲りたいと思っている。また、ご近所とうまくやってほしいという希望もある。
不動産売買は物のやり取りだけに終わらず、人間関係の引き継ぎでもあるのだ。
内覧の場で顔を合わせればお互いの様子がわかるし、スムーズに引き渡せるかどうかの感触も得られるだろう。
買う側から見ても同じことがいえるはずだ。

以上のとおりメリットは多いのだが、デメリットもないとはいえない。

1.買う側が疲れてしまう
業者は仕事の場数を踏んでいるため、ポイントを絞ってテンポよく解説することに長けているが、一般の人もそうであるとは限らない。なかには物件への愛情が深いためについつい話しすぎてしまう人がいる。
買う側にとっては情報量が多すぎて疲れてしまい、
「自分が買ってちゃんと管理できるだろうか」
と不安に感じることも。

2.質問がしづらい
買主の立場上オーナーに直接聞かせたくなく、業者にこっそり聞きたい質問があったりする。帰ってから聞こうとしてつい忘れてしまい、消化しきれないまま契約に臨んでしまうというパターンも。
買う側からすればオーナー同席が必ずしもメリットとはなりえないのだ。

オーナー同席の物件内覧はメリットが多いけれど、場面に応じて調整することも必要。なお、あの日不動産の理念は
「あの日買ってよかった。あの日譲ることができてよかった。」
売る人買う人双方の思いを大切にしながら内覧を進めていきますので、ご安心ください。

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