3月16日は財務の日。
3(ザ)と16(イム)で「財務」という語呂合わせからきている。

不動産を購入するとき、気になるのが数字、とりわけお金の話は避けて通れない。
そこで今回は商談で話題となりがちな費用、金額についてお話を。
売る側が準備しておくとよい主な項目は次のとおりだ。

1.固定資産税・都市計画税
最もポピュラーな指標のひとつ。
不動産を所有する限り間違いなく発生するランニングコストだ。
買う側にとって重要な検討素材となるので、物件売却の際は必ず関連書類を手元に準備されたい。
銀行で住宅ローンを組む際には融資審査の基礎資料ともなる。
表記、デザインは自治体によって違うが、おおむねこのような形式だ。

求められるのは
①納税通知書
②課税明細書
の2点。

①には実際の支払い税額、②には税額の基礎となる不動産の価格(評価額)、課税標準額が記載されている。
なお、都市計画区域外の場合②は発生しない。
納税したからといってすぐ捨てたりしないよう注意。

2.水道光熱費
毎月の水道、電気、ガス代がいくらなのか、これも注目ポイント。
各々の領収証を残しておき、季節ごとの月額費用が概算でわかるようにしておきたい。
事情によっては、燃料としての灯油代薪ストーブの薪代浄化槽の維持清掃代がかかる場合もある。
また、これからいっそう太陽光パネルを設置するお宅が増えることだろう。
売電収入や設置業者との契約に関する書類も準備しておこう。

3.町内会費・自治会費
町内会や自治会など近隣のつながりで発生する費用も押さえておきたい。
年1回の一括払いだと記憶がおぼろげになりがち。
こちらも領収証をお忘れなく。

4.管理費
管理別荘地や区分マンションの場合、月々の管理費が発生する。
マンションでは修繕積立金駐車場代などもかかるだろう。
管理費については、コストに対して「誰が、何を、どのレベルまで」管理してくれるのか質問する人も多い。
管理の項目も整理しておくとよいだろう。

5.営業収支
ペンションや旅館のような営業用物件の場合、実際の営業状況についても話が及ぶ。
年間の売上、原価、経費、減価償却費などが一表にまとめられ、集客数や客単価も示されているとなおよい。
かつて、元銀行マンという方の売却物件で、それはそれは詳細かつ明快に作られた収支一覧に出合ったことがある。
買主さんは即決だった。

最後の5からもわかるとおり、これらが揃っているかどうかで成約のスピードは格段に変わってくる。
物件そのものの要素や環境も大切だが、ない袖は振れない。
買う人が安心して前に進めるよう、できるかぎり必要な資料をそろえ、道を開いておきたい。

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