今回は売却依頼先の不動産会社に関するお悩みを紹介します。
使っていない別荘を手放したいため、ある不動産会社と専任媒介契約を結んだCさん(68歳)。
ところが契約どおりのサービスを受けることができず……

Q:ここ最近使わなくなった別荘を売りに出しています。
ある不動産会社と専任媒介契約を結び、インターネットや紙媒体に広告掲載もしてもらったのですが、販売活動の様子がわからず困っています。
確か専任媒介の不動産会社は、売主に対して2週間に1回報告する義務があると思いますが、ずっとなしのつぶてです。
この先果たして売れるのか不安です。専任媒介契約を解約する方法があれば教えてください。
A:それは困りましたね。
せっかく信頼して売却をお願いしたのに対応が不十分なら先が思いやられます。
まず、専任媒介契約とはどのような性質のものか、確認しておきましょう。
- 契約期間は3か月以内
- 3か月を超える契約期間は無効
- 自動更新はない
- 2週間に1回以上は顧客への報告義務がある
以上を理解したうえで、次のようなアクションを起こします。
1.不動産会社に販売状況を聞く
依頼先の不動産会社にお客さんの動き、広告への反応などを尋ねてみましょう。
記録を残すため、メールでのやり取りがおすすめです。
もしかすると、あまりに物件への反響が少なく、あなたに報告すべき内容が見当たらず困っているのかもしれません。
とはいえ、それが報告義務を怠る正当事由にはなりません。
もしそうであればなおのこと、販売活動に力を入れるべきです。
この時点でその不動産会社は信用に値しませんが、まずは契約どおり報告をするよう促してみましょう。
2.改善がなければ解約する
それでも状況が変わらなければ解約に向けて動きます。
もし、あなたが販売を急いでおらず、あまり波風立てたくなければ、媒介契約3か月の終了を待つのが最も楽な方法です。
契約終了間近に更新契約書が送られてきたところで
「積極的な販売活動の跡が見られず、今後も改善の見込みがないので媒介契約を更新しません」
と伝え、その書類を破り捨てればよいだけです。
もし、一刻も早い成約を望んでいるのであれば、専任媒介契約を途中解約し、新たな不動産会社と契約することをおすすめします。
途中解約の方法は、内容証明郵便を相手先に送るのがベストです。
書式は自由ですが、
- 解約日
- 宛名(会社名)
- 契約者(あなた)の住所氏名
- 媒介契約書と同じ印鑑の捺印
- 媒介契約締結日
- 媒介契約解約の対象物件住所
- 土地建物の種別
- 物件の所有者名
- 解約の意思を示す一文
を織り込んでおきましょう。
なお、専任媒介契約書に解約方法が明記されていれば、その方法に従います。
3.その他、紛争解決に向けて
以上のほか、特にやることはありません。
新たな不動産会社と媒介契約を締結し、気分一新して販売活動を再開しましょう。
もし、問題の不動産会社から抗議を受けるようなことがあれば、その会社を所管する国または都道府県の窓口に相談します。
都道府県知事免許の不動産会社の相談窓口
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000019.html
国土交通大臣免許の不動産会社の相談窓口
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000018.html
所管がわからないときは下記リンクで検索
https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/takkenKensaku.do
相談すれば、所管部署から不動産会社に何らかの指導、業務停止命令が入る可能性があります。
いずれにしても、解約後にその会社へ直接連絡することは避けた方が無難です。
いかがでしょうか。
2週間に1回以上の報告はあくまで手段であり、それ自体が目的ではありません。
普通に販売活動していれば、その頻度以上のコミュニケーションが自然と生まれてくるものです。
新規媒介契約の際は、あの日不動産にご用命ください。