
位置指定道路を造る際、関係権利者全員の承諾が必要ということに以前ふれた。
もし、一部の人の承諾が得られない場合はどうすればいいのだろう。
まともにいくとそこで指定は受けられなくなる。
ただ、指定を受けるための方法はいくつかあるので紹介しよう。
1.道路を隣接地境界線から離す
承諾しない人の土地から少し離して位置指定道路を造るようにする。
イメージとしては下記のような感じだ。
離す距離は15cmや25cmなど自治体によって異なる。
道路と土地が接していないことをはっきり示すよう、両者の間に塀か柵を設ける地域もある。


2.特殊な事情があることを説明する
力業ではある。ただ、役所の担当者も人の子。
承諾を取るための作業の経緯、問題となっている権利者固有の事情を説明し、それが第三者から見て理解が得られる内容であれば、100%門前払いというわけでもない。
そのときの担当者、さらにその上司といった人間関係に左右されるため、時の運による要素も大きい。
最後に、位置指定道路の持分関係について。
下の2つの図、色が塗られた部分はいずれも位置指定道路だ。
左は道路の土地について権利者が共有持分をもつパターン。
右は各権利者が目の前の道路部分を所有しているパターン。
さて、これらは実用面でどんな違いがあるのだろう。


通行、利用、管理の面で楽なのは左のパターンだ。三者とも道路全体について所有権をもっているので、トラブルは生じにくい。
右の場合、全員がお互い円満であれば問題ない。だが、例えばカ、キ、クの人が意地悪で通行を妨害すると、エ、オ、ケの人は右上方向へ進めなくなる。
こうした問題に備えてお互いの利益を害さないよう、通行掘削承諾書という協定書が利用される。
日常の通行、道路下を通るライフラインの工事、工事車両の駐停車などについての権利を、お互い承諾してハンコを押し合うという書類だ。また、土地を将来受け継ぐ人にこれらの権利が継承されるという一文があるかどうかも重要。
右のような位置指定道路沿いで土地を購入する場合、通行掘削承諾書がきちんと作られているか確認しておきたい。
なお、あの日不動産では、道路の権利関係について事前に説明し、日常の通行利用に支障がないことを明らかにしたうえで物件を引き継ぎますのでご安心ください。