春はもう終わり?とばかりに一足飛びで夏日のシーズンを迎えました。
そんななか田舎でも都市部でも話題となっているのがカメムシ。
退治したいけど触るに触れない、下手に触ると強烈なにおいで返り討ちにしてくるあの難敵です。
例年に増して大量発生しており、日常生活や農作物などへの影響が心配されています。
今回はカメムシの効果的な撃退法、におい対策を取り上げます。

Q:そもそもカメムシってどんな虫?

A:一言でカメムシと言っても、55科1,300種以上もの数が日本国内に生息するといわれます。
よく見られるのは緑色もしくは茶色系の体長1cmほどの個体。中脚と後脚の間に臭腺開口域があり、ここからアルデヒド類を主成分とする化学物質を放出します。この化学物質は外敵から身を守るためのもので、恐るべき刺激臭を発します。
主に4~11月ごろに大量発生し、特に10~11月に越冬のため動きが活発になります。

Q:どこから建物に入ってくる?

A:カメムシはちょっとした隙間から入ってきます。越冬前の時期、特に多く入り込んできます。経路は主に下記の4つです。

  • サッシや網戸の隙間
  • 換気口・換気扇など
  • エアコンのドレンホース、配管口
  • 洗濯物に付着

カメムシは暖かい所を好み、日差しをたっぷり浴びた洗濯物は格好の休息地です。特に白色の衣類が大好きだとか。洗濯物を外干ししたときは取り込む前に付いていないか確認しましょう。

Q:もし見つけたらどうやって追い払えばいい?

A:まず注意すべき点は決して刺激したり脅かしたりしないことです。嫌なにおいで反撃されてしまいます。ハエ叩きでつぶすなどはもってのほかです。
掃除機で吸い取るのもNGです。驚いたカメムシが中で反応して刺激臭を出し、掃除機を使うたびに嫌なにおいが広がってしまいます。

効果的な方法は以下の4つです。

1.ペットボトルで捕獲器を作って退治
手を汚さずスマートに退治できる優れた方法のひとつです。捕獲器はこんなふうにして作ります。

①ペットボトルの上3分の1ほどを切断する。
②切った①をひっくり返し、残り3分の2に上からはめ込む。
③接合部をガムテープなどで止める。
④ボトルの底に中性洗剤入りの水を入れる。
⑤見つけたらゆっくり捕獲器本体もしくはティッシュペーパーなどに優しく乗せて、ボトルの底に落とし込む。

カメムシは逃げるときに下へ向かう習性があるので、這い上がってくることはほぼありえません。
部屋に常備する際、くれぐれもぶつかって倒したりしないよう注意しましょう!

2.ガムテープでとらえる
慣れを必要とする方法です。刺激を与えないよう、静かに背後から忍び寄り、そっと背中を中心に丸めとります。

3.殺虫剤で仕留める
さまざまな薬剤が販売されていますが、存在感を増しているのが冷却スプレー。殺虫剤成分を含まないため、不快なにおいやベタつきが残りません。カメムシに近づきたくない人にはいちばんよい方法です。

4.牛乳パックでとらえる
1.の代用品です。同様に中性洗剤入りの水をためておき、見つけたらゆっくり内部へ導きましょう。中に入ったら口を閉じます。このとき侵入部に指で触れないよう注意しましょう。

Q:建物に入ってくるのをどうやって防げばいい?

A:基本的な方法として次の3つが考えられます。

1.侵入経路の隙間を埋める
経路ごとに次のような対策をとります。

  • サッシや網戸の隙間→→→隙間テープ、モヘアシール
  • 換気口・換気扇など→→→防虫フィルター
  • エアコンのドレンホース、配管口→→→防虫キャップ

カメムシはわずかな隙間でも入ってくるので、経路ごとに処置をしておくと効果的です。

2.庭の雑草を処理する
カメムシは雑草が茂った場所を好みます。庭の手入れをこまめに行い、刈り取った草はすぐに処分しましょう。そのままにしておくと卵を産み付けられて大量発生の原因になってしまいます。

3.網戸などに忌避剤をまく
カメムシを寄せ付けないために防虫スプレーを網戸にまいておくのも方法のひとつです。殺虫成分に抵抗がある人は、ハッカ油でスプレー液を作るとよいでしょう。

Q:もし嫌なにおいが手に付いたらどうする?

A:カメムシのにおい成分は油と融合しやすい性質があります。
手を石鹸で洗う前に、

  • オリーブオイルなどの食用油を揉みこむ。
  • クレンジングオイルを揉みこむ。
  • 界面活性剤入りの食器洗剤で洗う。

などの下準備をしておくと効果的です。

Q:もし嫌なにおいが衣類に付いたらどうする?

A:衣類や洗濯物が汚れたときは、界面活性剤入りの中性洗剤で洗濯しましょう。もしくはスチームアイロンをかけてにおいを飛ばします。カメムシのにおいには揮発性があるので高熱で取り去ることも可能です。

最後にカメムシの少ない地域を挙げたいところですが、ここぞという場所は残念ながらありません。
住まいごとに適切な対策を講じ、快適な生活環境を整えていきましょう。
ご武運をお祈りします(^^)/

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