訪日外国人旅行者の数がなおも著しい伸びをみせている。
2025年10月の推計値は、前年比17.6%増の389万6300人と発表された(JNTO調べ)。これは2023年10月から54.8%増の数字だ。

風光明媚で住み心地がよい地方に不動産を求めるとき、多くの人は自用目的だが一部には事業用目的の人もいる。
ここでは民泊利用目的で不動産を購入する際の融資について考えてみたい。

例えばX県で民泊事業を始めたいと考え、融資を使って不動産を購入するとしよう。自身は住民票をもとの場所に置いたままで、清掃やメンテナンスは業者に依頼するつもりだ。
ただ、肝心の建物は耐用年数ぎりぎりでほとんど評価が伸びない。土地自体も資産価値が低い。
このような場合、多くの人はまず地元を代表する地方銀行に頼ろうとするはずだ。住宅ローンのほかに事業用のフリーローンが用意されていれば、きっと使えるだろうと考える。その思考はまっとうだ。

しかし、その目論見はいとも簡単に外れてしまいがちだ。
民泊の場合、稼働日数が年間180日未満であるため、金融機関は保守的に見積もってしまう傾向にある。
住宅ローンであればほぼ満額借りられるような不動産でも、所要資金の50%程度しか借りられないケースもしばしば。
地方銀行がそうなら、信用金庫系はさらに厳しい。そもそも住民票を移さないなら貸せませんと言われてしまう。

ではノンバンク系はどうか。
一部に「民泊用ローン」のような商品名までうたっている金融機関もある。まさに私のためにあるローンじゃないか、と思うかもしれない。ところがここにまた大きな壁が立ちはだかる。
不動産の対象エリアだ。

民泊ローンは一見使い勝手がよさそうに見えるけれど、多くの場合対象エリアは一都三県、もしくは東名阪などの都市近郊に限られている。
人口が集中していないリゾート地は圏外とされてしまうのだ。
また、個人名義ではなく資産管理法人名義が必要とされることもある。

地方銀行がダメ、信用金庫がダメ、ノンバンク系がダメならいったいどこにすがればいいのか。
頼みの綱はここだ。

滋賀銀行「ジャストサポート」
ここ最近事業性ローンで活発な動きをみせている滋賀銀行。ジャストサポート(目的型不動産担保ローン)は民泊利用目的の不動産購入にも使うことができる。
ただし以下のような利用条件がある。

  • 物件購入者(ローン利用者)が直接民泊を運営するのではなく、第三者に建物を貸し出し、その第三者が民泊を運営すること
  • 第三者は物件購入者の親族以外であること

協力者の存在が鍵となるが、条件を整えれば満額に近い融資を引ける可能性がある。
リゾートエリアでの民泊向け融資を念頭に置いたとき、最も頼りになる金融機関といえる。
困ったときの滋賀銀行。ぜひ覚えておいてほしい。

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