東京で頂ける地方グルメの第2弾。
今回は吉祥寺にある「吉昇亭」さんへ行ってきました。名前だけで何のお店かわかるあなたは相当な信州グルメ通かもしれませんね。
長野市権堂で生まれたといわれる、あんかけ焼きそば。地域ごとのアレンジを経て、広く親しまれるようになりましたが、その一大拠点となったのが上田市です。
醤油ベースで太麺中心の長野スタイルに対し、塩ベースのあんかけを細麺で味わうのが上田スタイル。その上田市を代表する「福昇亭」「日昌亭」にオマージュを捧げたお店がこちら、吉昇亭さんです。
オーナーさんは上田市出身。故郷の味を東京でも味わってほしいとの思いから、2022年6月にオープンしました。
頂いたのは「餡掛け焼きそば(並)」と「小わんたんスープ」のセット。
グリーンピースと錦糸卵が載ったあんかけは、目にも舌にも美味な取り合わせ。キャベツ、人参、玉ねぎの旨みをギュッと閉じ込めたあんは栄養満点です。
あと、こちらのあんはアツアツではなく、ほどよい熱さなのがうれしいところ。ゆっくり食べても最後のひとすくいまで野菜の甘みが感じられます。
お肉は豚小間が入り、さらにチャーシューも!
これがなんともスモーキーで香り高く、ソフトなあんの中で異彩を放っているんです。鉄路で山々を抜けて一瞬、光降り注ぐ渓谷に幻惑される感じとも言いましょうか(伝わりづらい…)。
また、焼きそば用の酢からしもあり、味変要素が豊富。
酸っぱさで逆に野菜の滋味が強調される感じです。
麺は揚げておらず、蒸して焼いたもの。
チリパリ細麺はあんによく絡み、野菜と一緒に少しずつ味わうことができます。とろみの奥でビートを刻むクリスピーさがたまりません。
少し渇いたらワンタンのスープを。
もちもち厚めの皮の中には、お酒と生姜風味の効いた具がぎっしり。チキンと醤油ベースの優しいスープが、ひと匙ごとにワンタンをふうわり包み込みます。うん、ほっとする味。
それにしても「長野県」「信州」を掲げた飲食店が多いなか、「上田」のお店は珍しい気がします。
そのレア度のせいでしょうか、店員さんはこう話します。
「上田出身の方が結構来店されるんですよ。こんなにも多いのかと驚いています」
誰しも故郷の味が身近に味わえるのはうれしいもの。口コミが評判を呼び、集客につながっているんでしょうね。
昼は焼きそば、夜はお酒とおつまみが楽しめます。また、夜限定メニューとして、先ほどのスープがメインを張る「吉昇わんたん麺」もあります。
上田の方、信州の方はランチやお酒だけでなく、プチ同窓会にもよさそうですね。
吉昇亭
住所:東京都武蔵野市御殿山1-3-7
電話:0422-24-8048
交通:JR中央線・京王井の頭線「吉祥寺」駅南口から徒歩5分
営業:11:00~14:30L.O. 17:00~21:30L.O.
定休:火曜