木材を保護するための塗料には油性塗料と水性塗料があります。
性質によって使い分けするだけでなく、これらを重ね塗りする場面も考えられます。
ただしこの重ね塗り、油性が先か水性が先か迷うところであります。
果たしてどちらを先に塗るのがよいのでしょうか。

まず、油性塗料と水性塗料の性質をみていきます。
油性塗料は浸透性の塗料です。木材の奥深くにしみこみ、表面ではさほど目立ちません。木の木目や風合いを生かすことができます。
水性塗料には木の表面に塗膜を作る性質があります。木材そのものがもつ油とは性質が反対なので、あまり材の内部には浸透せずに表面で保護層を形成します。

まず、水性塗料の上から油性塗料を塗ることはできるのでしょうか。
イメージ的に油性塗料の方が雨をはじいてくれそうなので、仕上げは油性塗料と考えるかもしれません。
ただ、上で書いたとおり水性塗料は塗膜型の性質。すべすべした仕上がり感がその命です。上から油性塗料を塗るとその塗膜が崩れてしまう可能性があります。
油性塗料を塗る前に、水性塗料が完全に乾燥していることを確認しましょう。
質感が損なわれないか目立たない部分で試してから塗りはじめることをおすすめします。

最近の通説を占めるのは、油性塗料を塗ってから水性塗料を塗る方法です。
最初に水性塗料で塗膜を作ってしまうと、油性塗料の有効成分が木材に浸透しづらくなります。逆に、先に油性で内部を守り、あとから水性で表面を守るのが合理的だと考えられます。
油性塗料を塗ると、防カビ成分や防虫成分が木材内部に入り込みます。同時に表面の質感を残したまま樹脂と顔料で木材を保護します。
水性塗料をあとから塗るときも、油性塗料の乾燥をしっかり待ちます。
またサンドペーパーで軽く表面をこすっておくと、水性塗料がなじみやすくなり、塗膜がきれいに仕上がります。
水性塗料の方がはがれやすく劣化しやすいようなイメージがありますが、最近の製品は品質の向上が進み、しっかり乾けば耐久性撥水性を発揮します。

暑い夏が終わり、適度に湿度が下がってきたころ作業を始めてくださいね、

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