二地域居住、あるいは二拠点生活、デュアルライフという言葉が世の中に浸透してきた。拠点をひとつに絞らず、主に都市と地方を往復、周回しながら暮らすという生活スタイルだ。
もともと、よりよい住環境を求める志向の人たちに支持された考え方だったが、2020年からコロナ禍という特殊な社会現象がこの動きに拍車をかけ、一気にすそ野を広げた。
総務省の発表によると、2021年は東京23区で初の人口転出超過が起こり、その数4309人。東京都全体で見ても3770人の転出超過だ。一方で、茨城、群馬、山梨は初の転入超過となった。
改めて、二地域居住という言葉、皆さんはどんな暮らしを想像されるだろう。
都会に本拠地をもちながら、週末だけ田舎に滞在してリフレッシュして帰ってくる。あるいは仕事場を田舎と都会に置いて、どちらでも作業ができるようにする。はたまた、妻と子どもが田舎に定住し、夫は都市で働いて週末だけ田舎に赴く、というパターンもありうる。
ひと口に二地域居住といっても、その人の職種、働き方、家族構成、さらには生い立ちによって、さまざまな形が想定される。
拠点探しの前提として、何を目的に新たな拠点を設けるのかを明確にしなくてはならない。
ここがブレていると、場所選び、物件探し、資金計画全てが崩れてしまう。
新たな拠点に関係する人たちみんなの意見をすり合わせ、一定の方向性をまずは決めておきたい。そこから初めて拠点探しに移っていくのだ。