
1980年代に一世を風靡した連続ドラマ。子どもの不注意で丸太小屋が全焼するというショッキングなシーンが話題となった。
同時にその影響で、丸太小屋は燃えやすいものという認識が広まってしまった。が、これは大きな間違いだ。
丸太を積み重ねて造られる家、いわゆるログハウスは、屋根、壁、床のすべてが木であるため、感覚的には燃えやすいように思われるが、実は真逆。
例えば隣家や山火事からのもらい火を受け、丸太の一部が燃えてしまったとしても、その炭化した部分が酸素の流入を遮る壁となり、さらなる延焼を防ぐことが実験で証明されている。
わかりやすくいうと、外側3分の1は燃えても内側3分の2は構造体として残るというわけだ。
つまり、火事になったとしても内部まで火勢が及ばないため、逃げ遅れや一酸化炭素中毒で生命が危険にさらされるは格段に低い。
また、建材は往々にして無垢材なので、一部が燃えたとしても有毒ガスが出ることはない。
ログハウスは耐火性のエリートといえるのだ。
また、ログハウスが災害への強さを見せるのは、火災の場面だけではない。
地震も然りだ。
近年ログハウスは、最も耐震性に優れる耐震等級3で建築することができるようになった。
それもほぼ通常仕様で達成できるので、オプション費用がかからない。
この点は一般的な木造住宅にはない優位性だ。
最後に、冒頭の種明かしを。
丸太小屋の燃えにくさはドラマの制作スタッフも理解しており、火事の撮影シーンでは別セットで小屋を設えた。
その小屋には丸太ではなく、半割にした木材を使い、空気が回りやすいようすき間を確保して建てたとのこと。
涙を誘うシーンの裏で、ログハウスの難燃性にスタッフたちは大いに泣かされていたというわけだ。
100年間育って伐採された木は、その100年後最も強度が増すともいわれている。
中古住宅や新築住宅の永続性を考えるとき、ぜひログハウスを選択肢のひとつに数えておきたい。