ついに、という感がある。
京都市が全国初の「空き家税」制度を開始する。
正式名称は「非居住住宅利活用促進税」という。
その名のとおり、使われていない住宅に新たな税金が課されるのだ。
2020年から有識者らによる議論が重ねられ、2022年に市議会で審議され可決。
自治体独自の税制度(法定外税)の新設には総務大臣の同意が必要だが、近々そのハードルも越えるらしい。
実際の運用は2026年度以降の見込みだ。
京都市の人口は2023年3月現在で約144万人。
2005年以降ゆるやかに減りつづけ、同時に空き家数が増加の一途をたどっている。
こうした事情から、
(1)住宅の流動性を高め、定住促進、空き家発生の抑制につなげること
(2)目の前の空き家対策費用を抑制しつつ、財源を確保すること
をねらいとし、「非居住住宅」つまり空き家のオーナーに新たな税負担を課すこととなった。
住民票の有無は関係ない。居住実態がなければ「空き家」とみなされる。
いわゆる別荘や別宅は「空き家」と判断されるが、
・別宅全体または一部がアパートとして稼働している。
・今は空き家だが賃借人を募集して1年以内。
・賦課期日(1月1日)から1年以内に事業を始める予定がある。
などの場合は課税を免除される。
ただし、アパートでも
・親戚や知人に安く貸してあげていて、確定申告していない。
・不当に高い賃料で広告を出し、賃借人募集の「ふり」をしている。
などの場合は課税を免れない。
また、
・固定資産税の課税標準が20万円(条例施行後の当初5年間は100万円)に満たない。
・火災や水害によって住めなくなった。
・施設や病院に入っていて不在。
・転勤、海外赴任中で不在(ただし最大5年間)。
などの場合は課税対象外もしくは減免対象となる。
では、具体的に空き家税はいくらくらいになるのだろう。
市の試算によれば、
・物置として利用している築40年のマンション(60㎡)で年額約2万4000円
・年数回訪れる、市中心部にある築5年の高層マンション最上階(100㎡)で年額約93万9000円
とのこと。
「空き家税」は京都市だけの話ではない。
政府も2023年3月3日、空家等対策特別措置法(空き家法)の改正案を閣議決定した。
このまま改正案が通常国会で可決されれば、空き家の固定資産税がアップすることになる。
空き家の税負担増が全国レベルに広がるなか、早め早めの対策が必要となる。
お困りの際は、京都市でも仲介実績のある「あの日不動産」にお尋ねください。