今回のテーマは「石綿」。
いしわた、せきめんと呼ばれ、「アスベスト」という呼び名のほうがおなじみかもしれない。
かつては多くの建材に使われていたが現在使用禁止となっており、不動産取引の場では危険な物質として認識されている。

とはいえ、一部の古い建物の中には今なお現存している。特徴や対処の仕方を正しく知っておきたいところだ。
建物との関係を中心にQ&A方式でおさらいしておこう。

Q:そもそもアスベストとは何?

A:自然界に存在する鉱物繊維の代表格。髪の毛の約5000分の1という細い繊維でありながら、耐久性、耐熱性、耐火性、絶縁性に優れ、長年「奇跡の鉱物」として工業製品や建築物で重用されてきました。

Q:建物ではどんなふうに使われていた?

A:丈夫で燃えにくく、変容しにくい性質から、以下のような方法で使われてきました。

  • 断熱材(天井、壁)
  • 防音材(天井、壁)
  • 耐火被覆材(天井、梁、壁、柱)
  • 保温材(ボイラー、配管)

Q:なぜ使われなくなった?

A:人体に対して発がん性があることから使用禁止となりました。
上記のとおりアスベストはたいへん細かい繊維であり、空気中に飛散すると人の肺に取り込まれて蓄積しやすい性質をもちます。これを日常的に吸い込んでいると潜伏期間10~50年を経て石綿肺、肺がん、悪性中脾腫などの病気を発症するおそれがあります。

Q:いつから使われなくなった?

A:工業界全体として、1975年から順次、製造や使用に関する法規制がとられ、2006年にはすべてのアスベストならびにアスベストがその重量の0.1%超に及ぶすべての物の製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。
2012年3月以降は全面的に使用禁止となりました。

2006年9月以降に着工された建物には、原則としてアスベストの使用が禁止されています。それ以前に建てられた建物にはアスベストが含まれている可能性があります。

Q:アスベストが含まれる建物は今でも売られている? 買って住んでも大丈夫?

A:はい、今でも販売されています。通常の生活を営むかぎりは空気中に飛散することがほぼありません。吸引するリスクは極めて低いとされます。
ただし、大規模な改修、天災などによる大きな破損などが起こると飛散のリスクが高まります。

Q:建物の「石綿使用調査」は義務?

A:不動産取引時の重要事項説明書でふれられている「石綿使用調査」は義務ではありません。ただし、調査の有無、その有無が不明かどうかについては、宅建業者が説明する義務を負います。
いっぽう、建築物の解体工事、改修工事を行う場合は、事前のアスベスト使用調査が必須です。これらは有資格者によって行われなくてはなりません。
また、

  • 床面積合計80㎡以上の建築物の解体工事
  • 請負金額100万円以上の建築物の改修工事

には調査結果の報告義務が加わります。報告は労働基準監督署長に行います。
これらの工事では大気汚染防止法に基づき、アスベストの飛散防止措置をとったうえで適切に除去する必要があります。

アスベストの基本知識はざっとこんな感じだ。
必要以上に怖がることはないが、解体時、改修時には正しく取り扱い、周辺に十分配慮したい。

なお、あの日不動産では実費を頂ければアスベスト使用調査を行います。ご相談ください。

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