4月15日は遺言の日。
あまり考えたくないけれど、まさかの日は誰にも必ず訪れる。
遺産相続で子や孫が争わないよう、事前にできるだけの準備はしておきたい。
今回は遺言書の正しい知識と作成時の注意点をおさらいしてみよう。

遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類がある。
ここでは比較的ポピュラーな自筆証書遺言を取り上げることにする。

自筆証書遺言とはその名のとおり、自分で文字を書いて作成する遺言書。全文と作成日付の記入、署名に至るまで、すべての記述を自筆で行う。遺産相続の対象となる財産のリスト「財産目録」も添付する。ポイントは次のとおり。

  1. ボールペン、万年筆など消えないインクで記入。鉛筆や消せるボールペンなどは不可。
  2. 戸籍どおりの署名をし、横に押印する。認印も可。
  3. 複数ページにわたる場合、ページ余白に1/3、2/3、3/3のように番号を振ってホチキスで綴じ、すべての綴じ目に割印を押す。これも認印で問題ない。
  4. 財産目録は自筆以外で作成も可。パソコン入力の印字、預金通帳や登記事項証明書等の鮮明なコピー添付でもOK。その場合は本文と別の用紙で作成する。すべての記載ページに作成者自筆の署名押印が必要。
  5. 財産目録には「別紙1」「別紙2」などと記載して財産を特定する。
  6. 残す財産の内容または金額を、引き継ぐ人物名と組み合わせて指定する。
  7. 推定相続人(相続開始時に相続人となるべき人)に対しては「相続させる」または「遺贈する」と記載し、推定相続人以外の人(受遺者)に対しては「遺贈する」と記載する。
  8. 書き間違いを修正するときは二重線で消して書き直し、そばに押印する。

遺言者が死亡したときは、その保管者や相続人が家庭裁判所に遺言書を提出し、検認を受ける必要がある。問題なく通ればそのまま各種相続手続きに使用できるが、万一書き間違いなどが見つかると無効になるおそれがある。
自筆証書遺言は、費用をかけずに作成でき、随時自分で書き直して秘密裏に保存できるというメリットがあるいっぽう、こうした無効の例のほか、家族の誰かに改ざんされたり、存在に気付いてもらえなかったりするリスクがある。
そんな心配を解決してくれるのが「自筆証書遺言書保管制度」だ。自筆の遺言書を全国312の法務局で保管してもらうことができる。

自筆証書遺言書保管制度自宅等で保管
用紙サイズA4サイズ様式自由
用紙の余白上部5mm、下部10mm、左20mm、右5mmの余白を最低限作る様式自由
記載ページ用紙の片面だけを使う。両面に記載しないよう注意両面記載可能
ページ番号余白部分に書かないよう注意。本文と財産目録で通し番号にする書く場所は自由。本文と財産目録は用紙を分ける
製本ホチキスで綴じない。ページ順に揃えてバラバラのまま提出ホチキスで綴じて綴じ目に押印
家庭裁判所の検認不要必要

自筆証書遺言書保管制度の利用時に遺言書をホチキスで留めないのは、法務局でスキャンデータ化するためだ。データ化された遺言書は提出先の法務局に限らず、全国の法務局で閲覧できる。なお、閲覧できるのは遺言書を作成した本人だけだ。

では、自筆証書遺言書保管制度を使うときの手順を見てみよう。

1.必要書類を揃える
この制度を使うために必要な書類は下記のとおりだ。

  • 自筆証書遺言書
  • 申請書
  • 本人確認書類(官公庁発行の顔写真付き身分証明書)
  • 本籍および戸籍の筆頭者が記載されている住民票の写し等
  • 3,900円分の収入印紙(遺言書保管手数料)
  • (遺言書が外国語のとき)日本語による翻訳文

2.提出先の法務局を選ぶ
必要書類が揃ったら提出する法務局(遺言書保管所)を決める。下記のいずれかを管轄する法務局が候補となる。

  1. 遺言者の住所地
  2. 遺言者の本籍地
  3. 遺言者が所有する不動産所在地

3.申請書に記入する
申請書は下記リンクからダウンロードして事前に記入できる。
遺言書の保管申請書 フォーマット
遺言書の保管申請書 記載例・注意事項
同じ書式は最寄りの法務局でも手配できる。
なお、書面内の「受遺者」とは遺産を受ける人のことを指し、配偶者や血族といった「相続人」以外のすべての人(法人を含む)を指定できる。ただし、受遺者は相続税2割増となる可能性があり、受遺者が遺言者より先に亡くなったときに代襲相続(子どもが相続する)ができないので注意が必要だ。

4.法務局に訪問予約を入れる
本制度の申請にあたっては事前予約が必要。ウェブサイトもしくは電話で予約をしておこう。
【ウェブサイトから予約】
法務局手続案内予約サービス
【電話または窓口で予約】
法務局・地方法務局所在地一覧

ここまでくれば、あとは上記必要書類を準備し、予約日時に法務局で申請すればOK。
その他手続きの詳細は下記リンクに記載があるので、機会を見て確認しておこう。

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