2月6日は風呂(26)の日。
風呂といえば、旅先の旅館や日帰り施設、移住先の公衆浴場で温泉を楽しむ人も多いことだろう。場所によっては、町なかで温泉が湧いていて、地元住民が温泉銭湯へ日参する風景も見られる。
そうした銭湯入浴時にまつわるアドバイスをひとつ。
脱衣所で先客がいたら、その人たちがどんなふうにして洗い場へ入るか見てみよう。
入浴時に「こんにちは」「おじゃまします」などと挨拶するのが習わしになっているかもしれない。
この傾向は、浴場の歴史が長く、地元利用者の割合が高ければ高いほど顕著だ。
そんなときは真似をしてひと声かけてみよう。
ひょっこり来たあなたが「よそ者」だというのは誰にもわかること。
無言で当たり前のようにお湯を使うより、何かしら「今日たまたま使わせてもらう」という感謝の気持ちを表した方が、その後の空気はずっとよくなる。
みんなと同じように入浴料を払っているんだから別にそこまでしなくても、という意見もあるだろうがそうではない。
地域に根差した浴場は、入浴料金だけではなく、地元住民の寄付や努力によって守られていることも多い。
やはりその点、新参者は気を遣った方がいいのだ。
挨拶したあとの風呂は、間違いなく気持ちがいい。先に入っていた人も思いを汲み取ってくれる。場が和やかになるのを肌で感じるはずだ。
なかには、温泉の効果的な浸かり方や地域情報を教えてくれる人もいるし、思いがけず共通の趣味で話が盛り上がることも。
私が長野県松本市の「塩井乃湯」へおじゃましたときは、なぜか入浴客に私と同じ阪神ファンが多く、時を忘れてトラ談義にふけった思い出がある。
たまたまかもしれないが、これもひとつのご縁だと感じたものだ。
共同浴場は公衆のエリア。ただの湯船ではなくコミュニケーションの場でもある。
少し勇気を出せば旅の記憶はより鮮やかになるし、その町への愛着も増すことだろう。
なお、洗い場を出るときは「ありがとうございました」「失礼します」などの挨拶も忘れずに。