中東情勢の不安定さが続くなか、折にふれて話題になるのが「ナフサ不足」。
ナフサとは石油精製の過程で生まれる、化学製品の原料です。
建物に関していえば、ユニットバスや断熱材、クロス、塩化ビニル管といった建材そのものから、塗料、接着剤に使われるシンナーまで、ありとあらゆる物に使われています。通常のフローを考えると、ナフサなしでは家は建たないといっても過言ではありません。
化学メーカー、建設資材メーカー、工務店、リフォーム会社はナフサの供給不足に対して、値上げや出荷待ちを余儀なくされています。

果たしてこの状況下「家を買いたい、建てたい」と望む人たちがとる対策には、どんな手立てが考えられるでしょうか。

1.完成済物件を買う
ど真ん中の正攻法です。すでに設備が整っているので、供給待ちの心配はありません。
新築物件である必要はありません。何らかの事情で新築後未入居となっている物件、入居後数年で手放される物件など、最低限のリフォームやクリーニングですぐ住める対象物件も狙い目です。
金利上昇により、この春には住宅ローンの変動金利が大幅に上がりました。一部のネット銀行からの借り入れについては返済額の急激な上昇が見込まれ、返済が滞って家を手放す人も現れると予想されます。期待すべき話ではありませんが、こうした視点も頭の片隅に置いておくとよさそうです。

2.仕様変更する
建物のあらゆる所に使われているナフサ製品を別の物に差し替えるという方法です。
例えば次のような変更方法が考えられます。

工事箇所ナフサを含む一般的な建材代替品となる建材例
断熱材石油由来のウレタンフォーム、ポリスチレンフォームグラスウール、ロックウールなどの無機質系素材、セルロースファイバーや羊毛などの天然素材
外装プラスチック製の樹脂サイディングセメントと繊維質主体の窯業系サイディング
内装塩化ビニルクロス紙、紙布、塗り壁、漆喰
配管樹脂配管ステンレス鋼管、チタン配管、銅管、亜鉛メッキ鋼管

多少金額が上がる可能性はありますが、完成時期を早められるメリットが上回るなら一考の余地ありです。
なお、これに伴い設計の変更が発生するかもしれません。あまり使い慣れていない職人さんの場合、施工コストが上がりうる点にも注意しましょう。

3.早め早めの対応をとる
対抗策というよりは現実に即した次善の策。
すでに理想の建物プランが出来上がっている場合、ハウスメーカーや工務店の担当者と逐一連絡を取り合いましょう。
いつまでに納品が可能か、代替品が確保できるかなどを密に聞き取り、実現可能なスケジュールを最新の状態にしつづけます。これによって仮住まいの期間や費用、融資実行のスケジュールなどを安全に計画できます。

4.まずは賃貸物件で様子をみる
移住先での生活をスムーズに始めるため、まずは賃貸住宅に住む人は少なくありません。地域の情報収集、評判のよい建設会社探しなど、夢の実現に向けた行動を着実に重ね、好機を待ちましょう。

心に留めておきたいのは、ナフサ不足に困っているのは建築主だけでなく、施工業者も設備販売店も同じだということ。みんなが戦争の被害者です。イライラして協力関係にひび割れを起こさないよう、冷静に対応していきましょう。

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