長野市の公園廃止問題が列島の関心事となっている。
件の公園は同市の住宅地にある青木島遊園地。開設は2004年4月。地元の要望がきっかけで作られたそう。
ただ、開設当初より周辺住民から音に関する苦情が寄せられ、市は利用者の動線変更や植栽設置などあれこれ手を尽くしたが問題解決に至らず、やむなく2023年3月末で廃止するという結論を下したらしい。
一方この公園は、児童センターや保育園に隣接し、子どもの遊び場としては申し分ない環境。
果たして「廃止でハイ終了」とするのが正しいのかどうか疑問が残る。
ここで公園がなくなってしまっては、子どもたちが遊び場を奪われてがっかりするのはもちろんのこと、結局子どもがこの問題の「悪者」になってしまう。
彼らに騒ぐなというのは無理な話だし、そもそもこの公園が地元ニーズでできたことを考えれば、一部の住民の声だけで閉鎖されるのはおかしな話。
ひとつ認めてしまうと更なる「公園廃止ドミノ」につながりかねない。
子どもに責任を追及できない分、大人どうしで知恵を出し合って解決するのが本来の姿ではないだろうか。
住民どうしの衝突が起こった場合は、問題の原因をひとつひとつ精査していくことが大事だ。
各紙やニュースサイトが伝えるところによれば、クレームの原因は子どもの声だけではないらしい。
公園周辺には、迎えに来る保護者の車が「一日100台」止まるとのこと。
なかにはアイドリング駐車を続ける車もあるだろうから、連日のお迎えは排気騒音問題につながる。
であれば、一定の曜日や時間帯は自家用車による送迎を禁止とし、代わりに送迎循環バスを走らせるという方法も考えられる。
うまくルートを組み、公園利用者だけでなく周辺住民が買い物などで使えるようにすれば、高齢者の免許返納が促進できるかもしれない。雇用創出にもつながるだろう。
この公園問題をネガティブに幕引きするのではなく、ポジティブな方向に動かせないものだろうか。
以前ここに関わる大人どうしの話し合いがもたれたかはわからない。
でも今回これだけ騒ぎになったのだから、いっそ意見交換の場を設けてはどうか。
問題について100か0かではなく、お互い歩み寄った末の答えを探ることが行政の仕事だと思うがいかがだろう。