2027年から実施される新たな税制のひとつが、ミニマムタックスの改正。
ミニマムタックスとは「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化」の通称で、超富裕層への課税強化制度。超富裕層とそれ以外の層における所得税の格差を縮めようという動きだ。
すでに2025年から始まっているが、下記のとおり来年さらに強化される。

●特別控除額の引き下げ:3.3億円→1.65億円

●最低負担率の引き上げ:22.5%→30.0%

これによりミニマムタックスによる税額計算は下記のように変わる。

《2026年まで》(基準所得金額-3.3億円)×22.5%

2027年から》(基準所得金額-1.65億円)×30.0%

下記のグラフを見てみよう。
所得税負担率は合計所得1億円~2億円あたりをピークに、それ以上の所得ではどんどん下がっていく。
これは給与所得などの所得税が累進課税で最大45%取られるのに対し、不動産や株式の譲渡所得にかかる所得税率は比較的低い15%であることに起因する。いわゆる分離課税方式だ。
一般的に、高所得の人ほど不動産や株式の所得割合が高く、分離課税の恩恵を受けやすい。したがって所得税負担率も低くなるというわけだ。
下のグラフ内ピンク部分の空白をなるべく埋めていこうというのが、ミニマムタックス強化の目的といえる。

今回の税制改正でどれくらい所得税額が変わるのか、不動産の譲渡所得に絞って仮の数字で見てみよう。

1.譲渡所得4億5000万円の場合
《2026年まで》
[本来の税額]4.5億円×15%=6750万円
[ミニマムタックスの税額](4.5億円-3.3億円)×22.5%=2700万円

[実際の納税額]6750万円(追加課税なし)

2027年から
[本来の税額]4.5億円×15%=6750万円
[ミニマムタックスの税額](4.5億円-1.65億円)×30.0%=8550万円

[実際の納税額]8550万円(追加課税1800万円

2.譲渡所得8億円の場合
《2026年まで》
[本来の税額]8億円×15%=1億2000万円
[ミニマムタックスの税額](8億円-3.3億円)×22.5%=1億575万円

[実際の納税額]1億2000万円(追加課税なし)

2027年から
[本来の税額]8億円×15%=1億2000万円
[ミニマムタックスの税額](8億円-1.65億円)×30.0%=1億9050万円

[実際の納税額]1億9050万円(追加課税7050万円

かなりドラスティックな変更だ。税額が従来の1.5倍以上になるケースも発生する。
これまでミニマムタックスは超富裕層に対する施策だったが、2027年からは富裕層にも対象を広げるといえる。

高額不動産の売却予定がある場合、どうすればいいだろう。
防衛策はズバリ、2026年じゅうに売ってしまうことだ。
ただ、購入希望者から足元を見られてもよくないので、来年以降に売る場合の税額も考慮し、損切りにならない現実的な売価を設定したい。

なお、あの日不動産では移住用不動産のほかに投資用不動産のご相談も承っています。
売却スケジュール、資金計画などお気軽にご相談ください。
個別具体的な税額の計算、税務判断については弊社から税理士を紹介いたします。

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