令和6年能登半島地震が起こってから「地震に強い地域はどこですか?」という質問を受けることが再び増えた。

私が山梨で移住支援の仕事を始めたのが2011年3月1日。東日本大震災10日前だった。
もともと移住ニーズは高かったが、震災後状況が一変した。さまざまな思いを抱えた人々が大挙して地方を目指し、山梨も例外ではなかった。
その頃も同じように地震に強い場所はどこかという問合せがあった。
正直なところ「ここが強い」と断言できる材料はない。ただ、個人名を伏せたうえで「ある地盤工事の専門家がこの地域に住んでいる」という話をした。

日本全国、程度の差はあれどこも地震のリスクを抱えている。家具の倒壊防止とか、非常用バッグとか、まさかの備えはしていても、毎日いつも災害のことを考えているわけではない。何事もなく、平和という言葉すら意識しない日常のうえに、私たちの「平穏」は成り立っている。
だから、いつ来るかもしれない地震にびくびくするよりも、今日一日をありがたく生きることが大事だ。納得がいく時間の過ごし方、この人といてよかったと思える瞬間、今ここで終わっても悔いはないといえる人生……
宮城県の南三陸町は環境保全への真摯な取り組みが国際的に認められ、2022年にFSC認証ASC認証の両方をとった。自治体としては世界初の快挙だった。困難を乗り越えてここで生き抜く、人々の意気込みと覚悟の表れだろう。
移住地選びで大切なことは、地震に強いか弱いかより、その土地を愛せるかどうかだ。決して被災体験を軽んじるつもりはない。ただ、極論をいえば、地震が来てもその町に住み続けたいと思えるのなら、その決断は正解だ。
と、だいぶ力の入った内容になりましたが、愛せなくなった土地や建物については、あの日不動産で新たにお客様を探します。その時はその時。遠慮なくご相談ください。

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